18/12/25 絵本展、ありがとうございました

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「坪田譲治 にっぽんむかしばなし絵本展」
12/23に終了いたしました。

師走の慌ただしいなか、お運びくださったみなさま、
絵本をお手にとってご覧くださったり、ギャラリーでお話ししてくださったりしたみなさま、
絵本をご購入くださったみなさま、
参加のお声かけをくださり、今回のディレクションをご担当くださった中島慶章さん、
企画と会場のGALERIE Malleさん、
「姉と弟」装丁をご担当くださったデザイナーの菊池千賀子さん、
参加作家とデザイナーのみなみなさま、ありがとうございました。

展覧会に向けた絵本の制作を通して、学ぶことがたくさんありました。
お声かけをいただいた春頃から、今回の絵本と展示とのことを、
頭の真ん中に置いたり片隅に一度置いたりまた真ん中に戻したりしながら、ずっとどこかしらで考えておりましたので、
いろいろ大変なこともありましたが無事に終了を迎え安堵するとともに、
どことなく寂しいような心持ちがいたします。

参加作家としては力不足な部分もありましたが、この機会をいただけて幸いでした。
この場ではありますが、改めて感謝を申し上げます。


そして、自分の担当した絵本の話を少しいたします。
(この先は長くなりますので例によって飛ばしてください)

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「坪田譲治 日本むかしばなし集」より、
「姉と弟」というお話を選び、絵を描きました。

それほどポピュラーなお話ではなく、
私もこの展覧会でどのお話を描くのか、その希望をとるために上記全集を読んで、初めて知ったお話です。
なぜ描きたいと思ったのか、思い返すに、
人物や登場するモチーフに、絵にしてみたいという魅力があったこと、
物語がとてもやさしく、フラットで、安心するお話だということがあげられるかと思います。

「日本むかしばなし集」を読んで、
「めでたし、めでたし」ってなんなのか、ふと考えてしまいました。
意地悪爺さんがコテンパンにやられたり、お金持ちや土地持ちになったり、だれかが傷ついたり何かを得たり失くしたりということが、
ここでは全部「めでたし、めでたし」でまとめられているけれども、果たして本当に「めでたし、めでたし」なのだろうか。
そういうことを考えたときに、「姉と弟」は素直に「よかった」と安心できる結末だと、私は思いましたので、
(と、言いつつ、読みようによっては謎の想像力もはたらくお話でありますが)
おそらく私の納得をいちばんの決め手として、選びました。そして無事に希望が通りました。
本当は、そういう地味で安らかで穏やかな幸せにたどりつくことが、現実世界では、いちばん難しいのかもしれませんが。

「日本むかしばなし集」の坪田譲治さんの文章はとてもやさしくて、子どもたちに語りかけられていて、
その穏やかさに少しでも添いたいと思いながら、できるだけ素直に、描きすすめていきました。
オールカラーの15見開きが大変なことはわかっていたけど体験したら思った以上に大変だった。腱鞘炎一歩手前。いや、片足突っ込んでた。


絵本の制作も初めてでしたが、
日本のむかしばなしのモチーフを、趣味の範疇を超えて描くのも、今回が初めてでした。
細かいところは突っ込む人には突っ込まれるでしょうが、描く方は楽しかったです。
趣味で集めた図録や本がようやく役に立ちました。うれしい。
こういうモチーフもっと描きたいです。
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(扇面大好き人間)


古民家の画像も集めたり、本を読んだり、近所の民家園に行って写真を撮ったりしましたが、
みるたびふれるたび、先祖の血が安心している感じが最高に幸せでした。最高。



そしてこの、カバーですが、
最初に私が出したラフはもっとストレートで、それこそ姉と弟の人物を配していたのですが、
デザイナーの菊池さんから、もっと象徴的な感じはどうでしょうか?というアドバイスと、梅に鶯や流水紋を配したイメージをいただいて、
目からウロコがポロリと落ち、
じゃあどうしようと頭をひねって、浮かんだのが、この、梅と松の木の絵です。
最終的に仕上がったこのふたつの木と、流水紋と、花鳥のカバーの絵が、
私はとても気に入っております。
今回の絵本の装丁では、ややもするとぼんやりと弱くなってしまう絵に、強さや芯を与えていただけたと、しみじみ思っております。ありがとうございました。


ちょっと、しゃべりすぎました。
私なりに、いろいろ試しながら、良いものをつくり、仕上げていただいたと思っておりまして、
展覧会が終わり、実物をご覧いただける次の機会が不明瞭な今、
ちょっとこの場を借りて、語らせていただきたい気持ちがしたのです。恐縮です。
作家はどこまで作品のことを語るのがいいのでしょう。むずかしい問題ですね。



展覧会では、10冊の絵本が本当にそれぞれの魅力をもっていて、
作家さんともお話しながら、たくさんの刺激を受けました。
展覧会そのものが久しぶりでしたが、ほんとうに、良い時間をすごせました。


さて次回、2月にカフェギャラリーで個展を予定しております。
またいろいろ決まりましたら、お知らせいたします!
自信をもってお知らせができるように、いろいろをちゃんと進めないといけませんね。


良いお年を、と言いたいところですが、ここも年末までにあと1回くらい更新したいです。
デュシャンと宗達の話も書いておきたいしなあ。と、発言しておけば書くんじゃないかなあ。
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