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14/08/18

残暑おみまい申し上げます。
お盆を過ぎたら残暑見舞いだとはるか昔に教わりました。もうそんな時期なんですね。


ここ最近気を抜くたびに「山に帰りたい…」と呟きまくる田舎シックぶりを見せていましたが、
先週末にようやく山に帰ることができました。
高速道路から大あわてで撮ってタイミングがずれた写真。

滅多に来られない場所みたいになるのがいやなので、
あまり地元の写真は撮らないのですが、
地元っぽい景色をわりと描きたくなるくせに資料になる写真が全然ないことに最近気づき、今回はちょっとだけ撮りました。
山のモコモコ具合をどう描くかというのを未だ研究中。


で、お盆でしたので(帰ったときはまだお盆前でしたが)、
両親の実家に行ったのですが、
その際、母の実家で思いがけない出会いをした話が今回の本題です。

母の実家は田舎の山奥の古ーい家です。
親戚一同で居間に座っていたのですが、その時、ふと居間の天井の隅にある神棚が目につきました。
神棚の上に、木でできた簡素な祠(というか厨子というか、呼び方がわかりませんがとにかくそういう入れ物)があって、
その暗がりのなかに、木彫りのなにかがいるらしいのが見えました。

とりあえず隣にいた母に「あれ何?」と訊いてみると、
確かお祭りのときの神様で、昔からあるけど詳しいことは知らない、との返答。

そしたら親戚のうちの他の誰かが同じものに気づいて、祖父に訊きました。
(それまでもずっとそこにいたはずなのに、突然ひょっこり続けて気がつくのだから今考えれば不思議なことだなあ)

やっぱりお祭りのときの神様だとのこと。
便乗してあの中にある木彫りのものはなに?と訊いてみました。
すると、ずっと昔、旅の坊さんを家に泊めたとき、宿の礼として彫ってくれたものをいただいたらしい、とのこと。
その坊さんは、どうもそういう風に仏像を彫っては庶民に与えていた人らしいと。

おお、円空みたいな人かな?と思って聞いていましたら、

じいちゃん「確かモクジキとかいう…」

モクジキ?

もくじき…

木 喰

「木喰!!??えっ!!??嘘っ!!??」

この時取り乱して叫んで飛び上がってしまったのが今考えても恥ずかしい(反省)

木喰といえば、あの円空とよく名前を連ねている仏師ですよ。
でもこの時は、円空については展示で見たこともあり知っていましたが、木喰については円空に並ぶ、くらいの知識しかありませんでした。

でも!!よく!!仏像の本の棚の背表紙で見かける!!あの!!木喰!!!

…だと思ったのですが、のちのち地域の本なんかを見せてもらって確かめるうちに、
私の知っていた木喰は木喰行道、
神棚の仏の作者はその弟子、木喰白道(びゃくどう)であることが発覚。

でも!!!あの!!!木喰の!!!弟子!!!
(一人で大興奮しててすみませんでした。ここで謝る)

全然知らなかったけど、木喰師弟はどちらも甲斐の国出身。
(私や母の地元も東の隅だけど一応甲斐の国ですんで…「こぴっと」とか言わないけど…)
特に弟子の作品は山梨にかなり多く伝わっているらしい。

私が大興奮してしまったので(恥ずかしい)
親戚が椅子を貸してくれて神棚の仏さまを近くで見せてくれました。
レリーフのような厚い板を彫ったものがふたつ並んでいて、どうやら恵比寿と大黒。
(というのは私が気づいたんじゃなく父親が気づいた。私はあまり冷静でなく…)
丸くやわらかく彫りだされた彼らは目を細めて、やわらかく優しい笑みをたたえていました。

木喰は師弟ともに江戸時代の人だそうです。
その頃からおそらくずっと居間にいる彼らは、かつてあったはずの囲炉裏の煤やほこりで真っ黒になっていました。
時間の流れと、人の生活の深さを感じました。

思えば私は仏像を、美術館や博物館やお寺でばかり見てきました。
ああして普通の人の生活に寄り添って存在しているさまをちゃんと見たことがありませんでした。
図録や本に書いてある「個人蔵」という味気ない文字からは想像もつかなかったやさしさや、あたたかさや、存在感がありました。

手に取って見てみたら?と言ってもらいましたが、今回は触りませんでした。
その代わり、もうひとつ、仏壇に像があったのを手に取って見せてもらいました。
というのも、それは手のひらに乗るほどの小さな小さな像だったからです。
おにぎりのような形で、仏なのか神様なのかよくわかりませんでしたが、人の形のものが座って笑っている姿なのはわかりました。
こちらは木喰なのかどうかわかりませんでした。でも、大胆に彫り出され、背中側は木の切り口のままになっている姿はとてもいとおしく思われました。

写真を撮るのもなんとなくはばかられたので撮っていないのですが、
今思えばスケッチくらいさせてもらえばよかったな…
できればあの姿をなるたけ覚えていたいし、
この感動を誰かに伝えたいと思ったときのビジュアル情報が全くない!
まあ、今までずっとあの家にいたくらいだから、これからもあの家にいるんだろうと思うので、
また機会があるときにできればなあと思います。

木喰(弟子)さんが、あの家にお礼としてくれたものなら、やっぱりあの家にいるのが一番いいことだと思うので、これからもずっといてほしいです。
何もないことには定評がある田舎だけど、そういうものが実はあったことがうれしいです。
その他じいちゃんから色々聞いた昔の話や本に載っていた言い伝えなんかも面白かったです。
日本の昔ながらの言い伝えなんかは昔からなんとなく好きでした。そういうのを面白がるのは逆に現代っ子なんだろうか。

山の空気吸って元気出して個展まで乗りきろう…!と思いつつの帰山でしたが、
思いがけないエネルギーをもらい驚きです。

あと信玄餅たくさん食べられました。
今クレープとかプリンとか色々あるね…桔梗屋のアウトレット大繁盛しててびっくりした。

どっとはらい。
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